AIを使える枠が戻ったと思ったら、次はパソコンの空き容量の話です。Codexの「28日間、改善かリセットか」という連載は、日本時間の2026年10月13日にDAY8、14日にDAY9を迎えました。DAY8は新機能ではなく使用量のリセット、DAY9はChatGPT・Codexデスクトップアプリの保存方法を見直す更新です。1 2
DAY9で示されたのは、アプリがディスクに保存する状態データを約60%減らす見込みという改善。「AIがもっと賢くなる」といった発表とは違いますが、毎日の仕事を任せる人には見逃せない内容です。1
前回のDAY6・DAY7に続き、今回は「何の容量が減るのか」「クラウドのAIなのに、なぜPCの保存領域を使うのか」まで掘り下げます。Claude CodeやGemini CLIの保存管理とも比べながら、ここまでの9日間を振り返ります。

DAY8は改善なく、使用量のリセットへ

DAY8の告知は、Tibo氏(@thsottiaux)の「Day 8/ Reset」という短い投稿でした。続く返信では、全体向けのリセットを太平洋時間の当日中に反映する予定が案内されています。今回のDAY8枠は、新機能の説明ではなく、使用量のリセットを届ける日となりました。2
図1:DAY8の告知と、その後の反映予定の案内。2026年10月13日付の投稿を、10月14日に取得した画面。出典:@thsottiauxの投稿、提供スクリーンショット。2
後で使える「保存型リセット」とは別
ここでいうリセットは、会話やPCの設定を消す操作ではありません。利用枠を回復させるものです。OpenAIの説明では、全体リセットは対象の利用枠へ直接適用され、自分で使う時期を選べる「banked reset」の追加とは区別されています。3
DAY3で登場した保存型リセットのように、「あとで使う券が増えた」と受け取らないことが大切です。対象プランや回復する枠の詳細は今回の短い投稿には列挙されていないため、自分への反映は設定の「Usage/使用量」で確認します。リセットの告知と、自分のアカウントの表示は分けて見ておきましょう。2 3
DAY9はアプリの保存データを約60%減らす最適化

翌DAY9では、ChatGPT・Codexのデスクトップアプリが、状態データをディスクへ保存する方法を最適化したと発表されました。Tibo氏は、容量不足になるヘビーユーザーの声が寄せられていたことにも触れています。1
発表の表現は「約60%減る見込み」。最適化の展開を伝えるものであり、筆者のPCで60%減少を実測した、という話ではありません。
図2:DAY9の保存最適化を伝える投稿。上部はX/Grokによる話題の要約であり、OpenAIの公式説明ではありません。本記事では下部のTibo氏の投稿本文を発表の根拠として使用しています。2026年10月14日取得。1
60%減るのは「PC全体」ではない
対象は、アプリがディスク上に保存する「state」、日本語では状態データです。作業を再開したり、これまでの処理を扱ったりするために保持する情報を指します。実際のCodexには会話を再開・分岐する仕組みやローカルのセッション保存がありますが、そのうちどの種類のファイルが今回の最適化対象なのかは、DAY9の投稿では明細まで示されていません。1 4 8
数字の意味を単純な例にすると、最適化の対象データが10GBあり、そこに60%の削減がそのまま当てはまれば、残りは4GBです。これは割合を説明するための計算で、利用者の実測値ではありません。PC内の写真や動画、別のアプリまで含めた使用量が60%減るわけではない、ということです。
また、対象として名前が挙がっているのはデスクトップアプリです。スマホ版、ブラウザー版、CLIやエディター拡張でも一律に同じ効果が出る、と広げて読むことはできません。1
使用量・コンテキスト・メモリとは分けて考える
連載では似た言葉が続くので、ここで整理しておきます。DAY8は「あとどれだけAIを使えるか」という利用枠、DAY7は「AIが一度に参照できる情報の量」、DAY9は「PCに保存するデータの容量」の話です。1 2 12
実行中のアプリが使うメモリ(RAM)も、SSDなどの保存容量とは別です。今回の発表だけから、メモリ使用量や月額料金が60%下がる、応答速度が60%上がる、といった効果は読み取れません。保存方式の詳細、対象バージョン、既存データへの反映時期についても、追加説明を待つ必要があります。1
クラウドのAIなのに、なぜPCの容量を使うのか

AIの計算がクラウド側で行われることと、作業の記録を手元のPCに保存することは両立します。会話の続きを開く、前の作業へ戻る、別のタスクへ分岐する。こうした機能には、やり取りや処理の記録が必要です。Codexの公式資料にも、過去のセッションを再開する機能や、元の記録を保ったまま分岐する機能が説明されています。8
「会話の文字」だけがたまるわけではない
作業型AIが扱うのは、質問と返事だけではありません。ファイルを読む、コマンドを実行する、画面を確認する、別のエージェントへ仕事を渡す、といった過程でも情報が生まれます。Gemini CLIの公式資料は、ユーザーとAIの発言に加え、ツールの実行内容・結果や使用トークンの統計もセッション履歴へ保存すると説明しています。7
Codexでも、容量が大きくなった利用者による具体的な報告があります。2026年7月20日に作成されたGitHubのIssueでは、CLIとデスクトップで使うローカルのセッション保存領域が、1〜2か月ほどの集中的な利用で約75GB(70.23GiB)になったと報告されています。4
報告者が挙げているのは、過去の内容を含む記録の繰り返し、親の履歴を別エージェントへ引き継ぐ際の重複、画像や大きなツール出力などです。これらはその利用者の調査結果であり、全員の標準的な使用量や、DAY9で修正された具体的な原因を示すものではありません。それでも、保存容量の問題が単なる想像ではなく、長く使う人の実際の課題だったことは分かります。4
会話を要約しても、保存ファイルが同じだけ減るとは限らない
前回のDAY7では、GPT-6.1 Solの標準コンテキスト長が272kから500kへ広がりました。狙いの1つは、長い作業で会話を圧縮・要約する「コンパクション」の頻度を減らすことでした。12
ただし、AIへ渡す情報を短くまとめる処理と、ディスクに残す記録を小さくする処理は別物です。Codexの公式コマンド説明でも、コンパクションは会話のコンテキストを整理する機能として示されています。一方、先ほどの容量増大の報告では、要約・圧縮に関係する記録に過去の内容が重複して残るケースも分析されています。4 8
つまり、「AIが今読む分は整理された」ことと、「PCに残る履歴も軽くなった」ことは同じではありません。DAY7とDAY9を並べると、長い仕事を支えるには、モデル側の文脈とアプリ側の保存領域をそれぞれ管理する必要がある、と捉えられます。DAY7の変更がDAY9の容量問題を引き起こした、という因果関係を示す発表ではありません。
他のAIはどうしている? Claude Code・Gemini CLIと比較

ほかのAI開発ツールも、仕事を再開するための記録をPCに残しています。比較すると面白いのは、何GB使うかという数字だけでなく、何を保存し、いつ整理する仕組みになっているかです。ここでは通常のClaudeやGeminiのブラウザーチャットではなく、PCで使うClaude CodeとGemini CLIの公式資料を見ます。5 7
Claude Codeは保存期間で古いデータを整理する
Claude Codeの資料には、会話の記録、ツールの結果、変更前ファイルのスナップショット、キャッシュなどの保存先が説明されています。CLI向けの設定では、cleanupPeriodDaysの既定値は30日。起動時に、この期間より古い自動整理対象のデータを削除する仕組みです。5 6
ポイントは、「30日で全部が消える」という意味ではないことです。自動整理するデータと、利用者が削除するまで保持する履歴などは分けて案内されています。保存期間の設定は、容量だけでなく、昔の会話へ戻れる範囲にも関わります。5
Gemini CLIも保持期間や件数を設定できる
Gemini CLIでは、会話履歴をプロジェクトごとに自動保存し、後から再開できます。公式資料に示された既定の保持期間はこちらも30日。保存期間の変更に加え、残すセッション数の上限も設定できます。7
セッションを削除すると、それに関連する計画、タスクの記録、ツール出力なども一緒に整理されると説明されています。単に履歴一覧から見えなくするのではなく、関連データも含めた容量管理です。7
「小さく保存する」と「残す期間を決める」は別の対策
今回確認した資料の範囲を並べると、次のようになります。同じ仕事を実行して容量を測定した比較ではなく、各資料で説明されている対策の比較です。
| 対象 | 確認できる保存容量への対策 | 読み取るときのポイント |
|---|---|---|
| ChatGPT・Codexデスクトップ/DAY9 | 状態データの保存方法を最適化し、約60%の削減を見込む | 具体的な方式や保持期間の変更は、この発表では未公表 |
| Claude Code/CLI向け資料 | 既定30日より古い対象データを起動時に自動整理 | 自動整理するものと、保持し続けるものがある |
| Gemini CLI | 既定30日のセッション保持。期間・件数による整理を設定可能 | セッション削除に伴い、関連する作業データも整理される |
2026年10月14日に確認した資料に基づく。製品ごとの全機能や保存対象を網羅した一覧ではない。保持期間は端末上の対象データの話で、各社のサーバー側の保存方針とは別。1 5 6 7
ここで「Codexは圧縮、ほかは削除だけ」と決めつけるのは早計です。DAY9の具体的な方式は公開されていませんし、ほかの製品に保存効率化がないことを示す資料でもありません。
比較から得られる実用的な視点は、容量を節約できるかと、必要な仕事を後から再開できるかをセットで見ることです。古い記録を消せば容量は減っても、保留していた案件の続きに戻れなくなることがあります。完成した原稿やコード、重要な決定事項、次にやることは、会話履歴だけに預けず、プロジェクト側のファイルとして残しておくと管理しやすくなります。
DAY1〜9を振り返ると、改善の方向が見えてくる

ここまでの連載と発表を、主な内容に絞って並べます。各機能の対象プランや提供範囲は同じではありません。表は発表当時の振り返りで、現在の全プランに一律提供されているという一覧ではありません。9 10 11 12
| DAY | 主な改善・リセット | 利用者にとっての意味 |
|---|---|---|
| DAY1 | GPT-6 Astra・GPT-6.1 Solの標準速度を改善 | 応答の待ち時間を減らす |
| DAY2 | Auto-reviewの利用枠を消費しない提供、API利用区分、会議メモ、Decisions API。さらに使用量リセット | 操作・開発の改善に、利用枠の回復も加わった |
| DAY3 | ChatGPTにGPT-6とIntelligent UI。保存型リセットも配布 | 回答の見せ方を変え、リセットを使う時期にも選択肢 |
| DAY4 | 途中指示への反応を高速化、GPT-6.1 SolのUltrafast展開 | 作業中の軌道修正や処理を速くする |
| DAY5 | Composer predictions、dotsのスマホ作成・Codex連携 | 次の指示や仕事の引き継ぎを助ける |
| DAY6 | 使用量リセット | 利用枠を回復させる日 |
| DAY7 | GPT-6.1 Solの標準コンテキスト長を272kから500kへ | 長い文脈を扱う作業を支える |
| DAY8 | 使用量リセット | 新機能発表ではなく、再び利用枠の回復へ |
| DAY9 | デスクトップの状態データ保存を最適化、約60%の容量削減を見込む | PCに残るデータの負担を減らす |
DAY1〜5の詳細はこれまでの記事、DAY6・7は前回記事を参照。DAY8・9の発表は本記事の図1・図2。
注目したいのは、改善とリセットが完全な二者択一ではなかったことです。DAY2には複数の改善に加えてリセットがあり、DAY3にも機能更新と保存型リセットの配布がありました。「改善の日」と「リセットの日」を単純な勝ち負けで数えるより、何が変わったかを見るほうが実態をつかめます。11
速度、途中の指示、仕事の引き継ぎ、長い文脈、そして保存容量。並べてみると、モデルの性能だけでなく、AIと作業を続ける途中で生じる待ち時間や負担を減らす更新が続いている、と読むことができます。DAY9は、その中でもPC側の負担に手を入れた更新です。
今使っている人が確認したいこと

今回の発表を受けて、自分の環境を見るなら、いきなりデータを削除するより、何がどれだけ保存されているかを把握するところからです。確認は次の3点に絞れます。
- アプリの更新状況を確認する。 作業の区切りで更新の案内や再起動の要否を確かめます。ただし、更新しただけで全員の既存データが即座に60%減るとまでは発表されていません。1
- 同じ対象の容量を比べる。 PC全体の空き容量と、アプリの保存データは分けて記録します。更新前の測定がなければ、今回の削減率を自分で実測したことにはできません。ほかのファイルの増減も、PCの空き容量を変えます。
- 消す前に、再開に必要なものを残す。 完成物や決定事項を整理し、履歴の削除は対象と影響を確認してから行います。Claude Codeの公式資料でも、保存領域を消すと過去セッションの再開や復元が失われる場合があると説明されています。5
AIに容量調査を手伝ってもらうときも、まずは「容量と内訳を調べるだけ。削除・移動・設定変更はしない」と依頼範囲を区切るのがよいでしょう。容量を減らすことと、必要な仕事を失わないことの両方が目的です。
まとめ|長く使えるAIには、保存の仕組みも必要
DAY8は改善なく使用量のリセットへ。そしてDAY9は、アプリの状態データを約60%減らす見込みの保存最適化でした。前者は使える枠、後者はPCに残るデータへの対策です。1 2
派手な新モデルでなくても、毎日使う道具としては意味のある更新です。ほかのAI開発ツールの保存管理と合わせて見ると、これから比べたいのは回答の賢さだけではありません。必要な記録を保ち、容量の負担を抑えながら、次の日も同じ仕事を続けられるか。 DAY9は、その使い勝手に目を向けるきっかけになる改善でした。

参考資料
[1] Tibo氏(@thsottiaux)のDAY9投稿
2026年10月14日に取得した提供スクリーンショットの下部。ChatGPT・Codexデスクトップの状態データ保存の最適化、60%の削減見込み、容量不足のフィードバックに関する原資料。上部のX/Grok要約は根拠に使用していない。
発信元のXプロフィール/掲載スクリーンショット
[2] Tibo氏の「Day 8/ Reset」と続く返信
画面上の日付は2026年10月13日、画像取得は10月14日。全体リセットと反映予定を示す原資料。個別アカウントの残量回復を撮影したものではない。
発信元のXプロフィール/掲載スクリーンショット
[3] OpenAI Help Center「How banked Codex resets work」
保存型リセットと自動・全体リセットの違い、使用量画面の確認方法。過去の配布例に記された対象条件を、DAY8の条件として転用していない。
https://help.openai.com/en/articles/20001498-how-banked-codex-resets-work
[4] openai/codex Issue #34337「Codex CLI and Desktop session rollouts can silently consume tens to hundreds of GiB」
2026年7月20日作成。約75GB(70.23GiB)のセッション保存量など、報告者自身の測定・調査。利用者による一次報告であり、平均的な使用量、OpenAIの性能保証、DAY9の実装説明ではない。
https://github.com/openai/codex/issues/34337
[5] Anthropic「Explore the .claude directory」
Application data、Cleaned up automatically、Kept until you delete them、Clear local dataの各節。Claude Codeの保存データの種類、自動整理対象、削除によって失う機能。
https://code.claude.com/docs/en/claude-directory
[6] Anthropic「Claude Code settings」cleanupPeriodDaysの説明。既定30日、起動時の古い対象データの整理。
https://code.claude.com/docs/en/settings
[7] Google「Session management|Gemini CLI」
自動保存の対象、プロジェクト単位の履歴、既定30日の保持期間、期間・件数の設定、関連データを含む削除。
https://geminicli.com/docs/cli/session-management/
[8] OpenAI「Developer commands」および「Command line options – Codex CLI」
会話の再開・分岐と、コンテキストのコンパクションの説明。これらのCLI機能の資料を、DAY9の全クライアント対応の根拠にはしていない。
https://learn.chatgpt.com/docs/developer-commands
https://learn.chatgpt.com/docs/cli/reference
[9] OpenAI Help Center「ChatGPT release notes」
2026年10月7日のGPT-6/Intelligent UI、10月8日のsteering改善など、過去回の機能を照合する資料。
https://help.openai.com/en/articles/6825453-chatgpt-release-notes
[10] DAY5の公式発表資料
Composer predictionsとdots・Codex連携についての公式投稿。
https://x.com/OpenAIDevs/status/2108624138369929725
https://x.com/ChatGPT/status/2108636748217770180
[11] AI実践ラボの連載DAY1〜5
下記の連載記事。本記事の振り返り欄では「これまでに取り上げた発表」を整理し、各回の当初条件を現在の全ユーザー向け仕様とは扱っていない。
- DAY1:GPT-6系の速度改善
- DAY2:4つの更新と、その後の使用量リセット
- DAY3:GPT-6・Intelligent UIと保存型リセット
- DAY4:途中修正とUltrafast
- DAY5:Composer predictionsとdots連携
[12] AI実践ラボのDAY6・DAY7記事と、本連載で提供されたDAY7本人投稿
前回の使用量リセットと、GPT-6.1 Solの標準コンテキスト272k→500kの発表。500kは当該環境での標準値の変更で、保存容量や出力文字数の変更ではない。
https://ai-try-lab.com/codex-28days-day6-day7-reset-gpt61sol-500k-context/


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