SunoでBGMを作っていると、こんなことがあります。
「静かな曲にしたかったのに、途中からドラムが激しくなった」
「インストにしたのに、声のような音が混ざる」
「プロンプトを書いたのに、思っていた雰囲気と少し違う」
「毎回似たような曲になってしまう」
そんなとき、プロンプトをひたすら長くするより先に確認したいのが、CustomモードのAdvanced Options です。
Sunoには、不要な要素を避ける「Exclude」、曲の実験性を変える「Weirdness」、Style欄の影響度を調整する「Style Influence」など、生成結果をコントロールする機能があります。公式もWeirdnessを「SafeからChaos」、Style Influenceを「LooseからStrong」へ調整する機能として案内しています。
2026年8月30日時点ではv5.5が有料プラン向けの最新モデルですが、Sunoは次世代モデルの投入と従来モデルの退役を予告しています。だからこそ、「Weirdnessは30%、Style Influenceは70%なら正解」といった固定値を覚えるより、どんなときに、どの設定を動かすのか を理解しておく方が長く使えます。

まず結論|Advanced Optionsは問題別に使い分ける

Advanced Optionsを難しく考える必要はありません。基本的には、困っていることに対応する項目だけを動かす と整理できます。
役割の違いを先に確認しておきましょう。

Audio Influenceは、音源をアップロードした場合に現れる項目です。使っていない場合は気にする必要はありません。
「ドラムを消したいからStyle Influenceを上げる」といった調整では、狙った改善につながらないことがあります。問題に合う項目を選び、1つずつ比較すること が大切です。
Exclude|入れたくない音や要素を指定する

静かなピアノBGMを指定したのに、途中から大きなドラムが入ってきた。このような場合に最初に試したいのがExclude です。
Suno公式ヘルプでは、CustomモードのAdvanced OptionsにあるExcludeへ、使用してほしくない楽器や要素を入力できると説明しています。
たとえば、次のように指定できます。
Vocals, Singing:歌声を避けたいDrums, Percussion:ドラムや打楽器を避けたいDistorted Guitar:歪んだギターを避けたいHeavy, Aggressive:重く激しい方向を避けたい
「欲しいもの」と「欲しくないもの」を分ける
Style欄には、次のように「どんな曲にしたいか」を書きます。
calm ambient instrumental, warm felt piano, soft acoustic guitar, sparse arrangement
一方、Excludeには「何を避けたいか」を書きます。
Vocals, Heavy Drums
こうすると、Styleは足し算、Excludeは引き算 と役割が明確になります。
歌のないBGMを作ること自体が目的なら、まずはSunoのInstrumental設定を使うのが基本です。それでも声のような要素が混ざる場合にExcludeを追加する、と考えると分かりやすいでしょう。
Weirdness|王道と意外性のバランスを調整する

Weirdness は、生成される音楽をどの程度「安全な王道」に寄せるか、「意外性のある方向」に振るかを調整するスライダーです。
Suno公式ヘルプでは、両端をSafeとChaosで表し、50%を通常の期待値と説明しています。ただし、低ければ高品質、高ければ低品質という意味ではありません 。
ナレーション用BGMならSafe側から試す
YouTubeの解説動画などで、話している内容を邪魔しないBGMが目的なら、Weirdnessを少しSafe側へ寄せる考え方があります。
突然大きく展開したり、変則的なメロディーが入ったりするより、ある程度予測しやすい流れの方がBGMとして扱いやすいからです。
全部似た曲になるなら少し上げる
逆に、「無難だけれど、どれを生成しても似ている」と感じるなら、Chaos側へ少し動かしてみます。
ジャンルやプロンプトを変える前に、Weirdnessだけを変えて比較すると、このスライダーが曲へ与える影響も理解しやすくなります。
おすすめは固定値ではなく比較
BGMだから30%、個性的な曲だから80%と決める必要はありません。まず中間付近で生成し、予想外の展開が多ければ下げ、無難すぎれば上げる方が実用的です。
ジャンルやモデルが変われば、同じ数値でも生成結果は変わります。
Style Influence|Style欄をどこまで強く反映するか

名前が少し分かりにくいのがStyle Influence です。
Suno公式では、Style欄への追従度をLooseからStrongへ調整するスライダーと説明しています。「AIに入力したすべての指示を守らせる設定」ではなく、Style欄で指定した音楽性をどの程度強く反映させるか と理解する方が正確です。
たとえばStyle欄に、次のように書いたとします。
minimal ambient instrumental, felt piano, acoustic guitar, warm, slow, sparse arrangement
生成結果がロック寄りになったり、楽器編成が想定から大きく離れたりするなら、Style InfluenceをStrong側へ動かすのが1つの方法です。
一方、毎回似たアレンジになりすぎる場合は、少しLoose側へ戻すことで、AI側の解釈の余地を広げられます。
強くすれば必ず良くなるわけではない
Style欄に「静か」「壮大」「ミニマル」「激しい」「繊細」「派手」のような矛盾する指示を詰め込んだ状態で、Style Influenceだけを強くしても、狙いが明確になるとは限りません。
Style Influenceを上げる前に、Style欄が分かりやすいか確認する。 これだけでも失敗はかなり減ります。
Duration|何分くらい必要かを先に決める

2026年7月20日、Web版v5.5のCreate画面にDurationスライダー が追加されました。Suno公式リリースノートでは、生成したい曲の長さを選べる機能として案内されています。
Sunoの公式ヘルプでは、v4.5とv5で1回に最大8分まで生成できると説明されています。v5.5のWeb版でDurationを使えば、以前のように短い曲を作ってExtendで延長する方法だけでなく、最初から用途に近い尺を狙いやすくなります。
動画BGMなら必要な尺から逆算する
30秒前後のショート動画、1〜2分の商品紹介、5分程度の解説動画、長時間の作業用BGMでは、求める構成が違います。
長い動画に使うからといって、とにかく最大尺で生成すればよいわけではありません。動画内でループさせるのか、1曲を通して使うのか、途中でフェードアウトするのかまで考えると、必要なDurationも決めやすくなります。
映像へ秒単位でぴったり合わせる必要がある場合は、生成段階だけで完結させず、最後に動画編集ソフトや音声編集環境で尺を合わせる方が確実です。
スライダーより先にStyle欄を整理する

Advanced Optionsは便利ですが、元となるStyle欄が曖昧なら、細かく調整しても狙いは定まりません。
BGMなら、最低限次の要素を考えてみると書きやすくなります。
- ジャンル:ambient、lo-fi、acoustic、cinematicなど
- 雰囲気:calm、warm、peaceful、bright、mysteriousなど
- 楽器:felt piano、acoustic guitar、strings、synth padなど
- テンポ・リズム:slow、80 BPM、gentle grooveなど
- アレンジの密度や展開:sparse arrangement、gentle dynamics、gradual buildなど
たとえば「ナレーションを邪魔しない、やさしいBGM」を作るなら、次のように方向性を整理できます。
warm ambient acoustic instrumental, soft felt piano and acoustic guitar, slow tempo, sparse arrangement, gentle dynamics, calm and unobtrusive, no dramatic build
長文にすること自体が目的ではありません。聴いたときに確認できる特徴を、矛盾なく書くこと が基本です。
失敗したら1つだけ変えて聴き比べる

Sunoを使いこなすうえで重要なのが、一度に全部変えないこと です。
思い通りにならなかったときに、プロンプト、Exclude、Weirdness、Style Influence、Durationを同時に変更すると、何が効いたのか分からなくなります。
問題ごとの最初の調整先を整理すると、次のようになります。

同じStyleを使い、1つだけ設定を変えて聴き比べる。 このやり方なら、自分がよく使うジャンルでの「ちょうどいい位置」が徐々に分かってきます。
黄金設定を探すより、自分の基準を作る

Advanced Optionsを使い始めると、「結局、Weirdnessは何%が正解なのか」と数字が気になります。
しかし、すべてのBGMに使える万能な数値はありません。静かなピアノBGMと、SF映画のような実験的なアンビエントでは、求めているものが正反対だからです。
さらにSunoはモデル更新が速く、2026年3月のv5.5発表では次世代モデルの投入が予告され、2026年8月の案内では新モデル公開時に従来モデルを退役させる方針が示されました。
数字そのものより、次の関係を覚えておく方が、モデルが変わっても対応できます。
- 奇抜ならWeirdnessを下げる
- 無難ならWeirdnessを上げる
- Styleから外れるならStyle Influenceを強める
- 不要なものはExcludeする
生成AIの変化を広く振り返りたい場合は、2022〜2026年の生成AIの流れを整理した記事も参考になります。
ナレーションBGMなら、まずこの方向から
YouTubeなどで話し声の後ろに流すBGMなら、最初は次の方向で試すと調整しやすいでしょう。
- Instrumentalを使用
- Styleは「静か・疎・穏やか」を明確にする
- 不要なボーカルや強い打楽器はExclude
- WeirdnessはSafe側寄りから試す
- Style Influenceは中間からStrong側で比較
- Durationは動画尺に合わせる
これは正解の設定値ではなく、用途から逆算したスタート地点 です。実際に生成した曲を聴いて、問題のある項目だけを動かしてください。
YouTubeなどで使う前に利用条件を確認する

BGMとして外部利用する場合に忘れたくないのが権利関係です。
2026年8月30日時点のSuno公式ヘルプでは、ProまたはPremierなど有料プランの契約中に生成した楽曲へ商用利用権が付与され、YouTubeなどでの収益化にも利用できると説明されています。一方、無料プランで生成した曲は原則として非商用利用向けで、あとから有料プランへ加入しても過去の曲へ自動的に商用利用権が付くわけではありません。
ただし、Sunoは2026年9月3日からダウンロード上限と新しい利用規約を導入する予定 です。公式案内では、無料プランは生涯7曲までの試用ダウンロード、Proは月20曲、Premierは月60曲とし、新規約では有料プランの許可されたダウンロードが商用利用の条件になると説明されています。
そのため、この記事を9月3日以降に読む場合は、生成時のプランだけで判断せず、その曲をどのプランで正規にダウンロードしたか と、利用時点の規約を確認してください。
また、商用利用できることと、著作権保護を受けられることは別問題です。Suno自身も、商用利用権の付与は著作権保護を保証しないと案内しています。
収益化や商用案件へ使う場合は、Sunoの条件に加えて、YouTubeや配信サービスなど利用先の規約も確認しておくのが安全です。
まとめ|問題に対応する設定を1つだけ動かそう
Sunoでイメージ通りのBGMへ近づけるコツは、すべての数値を細かく調整することではありません。
覚えておきたいのは4つです。
- 不要なものを減らすならExclude
- 王道と個性のバランスはWeirdness
- Style欄への追従度はStyle Influence
- 必要な曲尺はDuration
そして、一度に全部変えないこと。「何が気に入らなかったのか」を1つ決め、その原因に対応する設定だけを動かして再生成しましょう。
固定された黄金設定をコピーするより、同じStyleで1項目だけ比較する方が、自分の欲しいBGMへ着実に近づけます 。



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